虫歯で悩んでる方必見! 虫歯の4大原因を知ってしっかり予防しよう!

虫歯はほとんどの方が人生に1回は経験する身近な病気です。身近すぎるがゆえに、虫歯を甘く見てしまっている方も多いのではないでしょうか。実は、時に虫歯は命を脅かすこともあります。軽視していると後悔することになるかも知れませんよ。しかし、その一方で対応が早ければ簡単に治る病気でもあります。虫歯の原因を知り、しっかりと治療・予防を行えば何も怖くはありません。そこで、今回は虫歯の原因と予防について中心にご紹介します。

  1. 虫歯の基礎知識を学ぼう!
  2. 虫歯の原因について
  3. 虫歯の原因別予防法とは?
  4. よくある質問

この記事を読むことで、虫歯の原因・予防に関する基本的な情報を得ることができます。すでに虫歯の方も、虫歯を予防したい方も、ぜひ最後までお付き合いください。

1.虫歯の基礎知識を学ぼう!

1-1.虫歯とは?

虫歯とはミュータンス菌(虫歯菌)と呼ばれる細菌が歯を溶かしてしまっている状態のことをいいます。ズキズキとした鋭い痛みがあり、場合によっては頰を赤く腫れさせたり、発熱させたりする点も特徴の一つです。ほかにも、自然治癒しないのも大きな特徴で、「軽い虫歯だし大したことがないだろう」と放置をして重傷化してしまうケースも珍しくありません。さらに、あまり知られていませんが、病状の進行度によっては命にかかわることもあります。決して軽視することのないようにしましょう。

1-2.主な症状について

虫歯で最もよく見られる症状は痛みです。歯が溶ける過程で痛みを感じます。初期段階では我慢ができる程度の痛みです。しかし、その状態のまま放置して歯神経にまで虫歯が到達すると、日常生活に支障をきたすほどの激痛を感じるようになります。それでも、放置し続けると、やがては痛みを感じないようになるでしょう。多くの方が治ったと勘違いしてしまいますが、前述したように虫歯は自然治癒しません。実は、痛みがなくなるというのは「神経が死んだ」ことのサインなのです。神経が死んだ状態でさらに放置をすると、今度は虫歯菌がアゴの骨にまで到達し、「顎骨骨髄炎(がくこつこつずいえん)」を発症し、また激痛を感じるようになります。ここまで重症になってしまうと外科手術が必要になってくることもあるでしょう。また、このような重症状態では虫歯菌が血中に入り込み、心臓や脳へ到達して心筋梗塞・脳梗塞・脳炎など命にかかわる合併症を引き起こすこともあります。もしも突然痛みを感じなくなったら危険なサインですので気を付けましょう。

1-3.病状の進行度について

虫歯には病状の進行度によってCO~C4の5段階に分けられます。

1-3-1.CO(シーオー)

COは歯の表面が溶け始めている状態で、まだ完全に虫歯にはなっていません。COの「O」は「Observation(オブザベーション)」のことで、直訳すると「観察・監視」です。つまり、要観察の状態を指します。歯磨きをしっかりと行えば、虫歯になるのを防ぐことが可能です。また、多くの場合、この時点ではまだ痛みを感じません。

1-3-2.C1

C1は初期虫歯の段階で、歯の表面にあるエナメル質を溶かし始めている状態です。この状態になると歯磨きなどをしても改善することはありません。チクリとした小さな痛みを感じ始めます。

1-3-3.C2

エナメル質の下にある象牙質と呼ばれる場所まで浸食が進んだ状態をC2と呼びます。まだ、大きな痛みは感じません。しかし、甘いものや冷たいものを食べると、キーンとしみるようになります。

1-3-4.C3

象牙質のさらに下にある歯髄(しずい)と呼ばれる神経層にまで虫歯が侵食するとC3と診断されます。C3にまでなるとズキズキとした鋭い痛みが発生するようになるでしょう。さらに、人によっては発熱・頭痛なども発生することがあります。

1-3-5.C4

歯髄(しずい)が壊死(えし)した段階の虫歯をC4と分類します。この段階になると神経が死んでいるため正常な機能を果たせなくなり、痛みを感じなくなるでしょう。また、膿(うみ)が発生するようになり口臭が強くなります。さらに、顎骨骨髄炎(がくこつこつずいえん)・心筋梗塞・脳梗塞などの合併症のリスクも高まるでしょう。

1-4.なりやすい人の特徴について

1-4-1.歯磨きをあまりしない

食べかすなどは虫歯の栄養源です。そのため、歯磨きをしない人ほど菌が増えやすく、虫歯のリスクが高まります。

1-4-2.歯並びが悪い

歯並びが悪いと歯ブラシの毛先が十分に届かない場所が発生するため、プラークを除去しきれず虫歯になりやすくなります。歯並びが悪い箇所は念入りに磨くようにしましょう。また、デンタルフロスで歯間を掃除することも大切です。

1-4-3.唾液の量が少ない

実は唾液と虫歯には大きな関係があります。唾液は殺菌能力を持っているのです。さらに、唾液は溶けたエナメル層の修復(再石灰化)もしてくれます。ですから、普段から口の中が乾いている人などは虫歯になりやすくなるでしょう。

1-4-4.甘いものや繊維質のものなどを好む

甘いものは虫歯菌の大好物です。普段から甘いものを間食している人は虫歯になりやすいでしょう。また、歯に挟まりやすい繊維質のもの(さきイカなど)や粘度が高いもの(チューインガム)などを好んで食べる方も要注意です。

1-4-5.歯ぎしり癖がある

歯ぎしりをすると歯の表面が傷つき、そこに菌が侵入して虫歯になってしまうことがあります。同様の理由で、ボクシングや空手などのコンタクトスポーツを行っている方は歯が破損しやすいので注意が必要です。

2.虫歯の原因について

2-1.虫歯になるメカニズム

歯磨きを怠るなどしてプラークがたまると、そこにミュータンス菌(虫歯菌)が住み着きます。すると、ミュータンス菌はプラークの糖を餌に繁殖して酸を出し、歯を溶かすため虫歯になってしまうのです。つまり、プラーク・ミュータンス菌・糖・酸が虫歯を発生させる4大条件ということになります。

2-2.そのほかの原因

また、前述したように唾液の量が少なかったり歯が割れていたり、あるいは体調不良で免疫能力が低下していると4大条件を補強することになり、結果として虫歯になりやすくなります。

3.虫歯の原因別予防法とは?

3-1.プラーク

プラークは別名歯垢(しこう)とも呼ばれるもので、簡単にいえば細菌に侵された食べかすのことです。一般的に黄白色をしており、ネバネバして独特の悪臭を放ちます。プラークは元が食べかすですから、口の中を掃除しないとどんどんと増えてしまうでしょう。対処方法は簡単で、しっかりと毎日歯を磨くことです。できれば、食後はすぐに歯を磨くようにしましょう。ただし、酸性のものを飲食した直後は口内が酸性のため歯が傷つきやすくなっています。30分以上開けて口内が中和されてから歯を磨いてくださいね。

3-2.ミュータンス菌

ミュータンス菌は虫歯を引き起こす元凶そのもので、増える原因はプラークです。ですから、基本的にプラークをしっかりと除去していれば増えることはありません。歯を磨いたりデンタルフロスなどを使ったりしてプラークを落としましょう。

3-3.糖分

歯磨きができない時間帯などには炭水化物や甘いものを取らないようにすることで対策ができます。

3-4.酸・口内環境

前述したように、唾液には中和作用があります。ですから、なるべく口の中は唾液で潤っている状態にすることが大切です。あまり唾液が出ず、普段から口が乾きやすいという方は唾液を出すストレッチをしてみましょう。やり方は簡単で、舌で歯の表面をなぞるようにしながらグルグルと動かすだけです。右回りと左回りをそれぞれ20週ずつを1セットとして、これを1日3セット行うようにしましょう。また、いくらストレッチをしても唾液が出づらい方は、気持ち多めに水分を取るようにしてください。

3-5.予防歯科について

予防歯科とは虫歯にならないようにするための予防習慣のことです。エナメル質を強化したりフッ素などでコーティングしたりすることで虫歯になりにくくします。
最も簡単な予防歯科はガムです。ガムにはソルビトールやキシリトールと呼ばれるものが含まれています。ソルビトールもキシリトールも糖の一種ですが、虫歯の原因にはなりません。それだけではなく「虫歯を予防する糖」でもあります。ですから、ソルビトールやキシリトールの配合されたガムを習慣的に噛(か)むことで虫歯を予防してくれるのです。
ほかにも、フッ素もとても効果的な予防法といえるでしょう。フッ素はエナメル質を修復・強化する性質があり、さらには、ミュータンス菌の働きを抑えてくれます。多くの歯磨き粉に配合されていますので、歯を磨くことでセルフコーティングが可能です。ただし、あまり効率は良くないので、できれば歯科医院でフッ素を塗ってもらいましょう。
最も効果的な予防歯科は「定期検診に行くこと」です。いくら対策をしても、奥歯や歯の裏など自分では見えない場所も多いので、定期的に歯科医院で歯のメンテナンスをしてもらいましょう。

4.よくある質問

Q.歯科医院を受診すべき症状の目安はありますか?
A.基本的に痛みを感じたら受診すべきです。特に、痛むようになった後に突然痛みがなくなったら、歯の神経が死んでいて重症なので、直ちに受診しましょう。神経が死んだ歯は暗褐色や青紫色に変色するので、そのような歯が見られる場合にも早急な受診が求められます。

Q.何か所も歯が痛いのですが、すべて虫歯なのでしょうか?
A.ご安心ください。歯痛は放散性があるため、多くの場合はすべての歯が虫歯ということはありません。ただし、何事にも例外はあるのでご注意ください。

Q.治療にはどのぐらいの費用がかかるのでしょうか?
A.虫歯の状況によって大きく異なります。CO~C1の初期虫歯であれば治療が簡単なので1,500円~3,000円程度でしょう。これがC2~C3になってくると、1万円程度まで値段が高くなってきます。さらにひどくなると、保険適用外の治療なども必要となるケースが出てくるため、10万円以上の費用がかかってくることもあるでしょう。ですから、虫歯はなるべく放置せず、早めに対処することが大切なのです。

Q.正露丸を虫歯がある箇所に詰めると治ると聞きました
A.正露丸を虫歯の発生している場所に詰めると、一時的に痛みが引く場合があります。これは正露丸に含まれているクレオソートの鎮痛作用や殺菌作用によるものです。しかし、クレオソートだけでは一時的に症状を和らげるだけなので、根本的な解決にはなりません。同じ理由で、ロキソニンなどの鎮痛剤を飲んで症状を和らげても、それは一時的なものでしかなく虫歯が治るわけではないのでご注意ください。

Q.虫歯以外に歯痛の原因はあるのでしょうか?
A.歯周病によって歯茎が腫れて痛みを発し、それを歯の痛みと勘違いしているケースがあります。また、外傷などで歯が傷つくと知覚過敏になり、虫歯に似た歯痛を発生させることもあるようです。ほかにも、親知らずが歯茎を刺激して痛みを感じていることもあります。さらに、妊娠中はカルシウム不足になるため、歯からカルシウムが抜けて痛みを感じる方もいるようです。

まとめ

いかがでしたか? 今回は虫歯の原因や予防に関する情報をご紹介しました。虫歯は主にプラーク・ミュータンス菌・糖・酸の4大条件が原因で発生する病気です。虫歯になると歯痛や口臭などを引き起こし、日常生活に悪影響を与えてしまいます。それだけにとどまらず、甘く見て放置し続ければ顎骨骨髄炎(がくこつこつずいえん)・心筋梗塞・脳梗塞・脳炎などの合併症を引き起こすこともある恐ろしい病気です。しかも、自然治癒することはありません。歯に痛みを感じるようになったら、命にかかわるような状態になる前に、必ず歯科医の診察を受けてくださいね!