いびきの原因は?睡眠時無呼吸症候群との関係と自分でできる対策

いびきがうるさいと指摘された、自分のいびきで目が覚める、家族のいびきで眠れない。いびきの悩みは身近ですが、本人は寝ている間のことなので気づきにくいものです。

いびきは、睡眠中に空気の通り道が狭くなり、のどの周辺が振動して音が出ることで起こります。疲れた日やお酒を飲んだ日だけ一時的に出ることもあれば、鼻づまり、肥満、あごの形、加齢、睡眠時無呼吸症候群などが関係していることもあります。

特に、いびきが大きい、途中で呼吸が止まる、日中に強い眠気がある場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。放置せず、医療機関で相談することが大切です。

この記事では、いびきの主な原因、自分でできる対策、病気が関係しているサイン、受診の目安、医療機関で行われる治療法を解説します。

  1. いびきが起こる仕組み
  2. いびきの主な原因
  3. 自分でできるいびき対策
  4. 睡眠時無呼吸症候群が疑われるサイン
  5. 医療機関で行われる検査と治療
  6. いびきで受診するときの診療科
  7. いびきでよくある質問
  8. まとめ

1.いびきが起こる仕組み

いびきは、睡眠中に上気道と呼ばれる空気の通り道が狭くなり、のどの粘膜や周辺組織が振動することで起こります。

空気の通り道が狭くなると音が出る

起きているときは、のどや舌の筋肉が気道を保っています。

しかし、眠ると筋肉がゆるみ、舌や軟口蓋が後ろへ下がりやすくなります。その結果、空気の通り道が狭くなり、呼吸のたびに振動して音が出ます。

これがいびきです。

一時的ないびきと慢性的ないびきがある

疲れている日、お酒を飲んだ日、風邪で鼻が詰まっている日だけ、いびきが出ることがあります。

このような一時的ないびきは、原因が解消すると軽くなる場合があります。

一方で、毎晩のように大きないびきをかく、呼吸が止まる、日中に眠いといった症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群などの病気が関係していることがあります。

本人より家族が気づきやすい

いびきは寝ている間に起こるため、本人が気づきにくい症状です。

家族やパートナーから「いびきが大きい」「途中で息が止まっているように見える」と言われた場合は、軽く受け流さず、睡眠中の様子を確認してみましょう。

いびきは音の問題だけでなく、睡眠の質や呼吸の状態を知るサインになることがあります。

2.いびきの主な原因

いびきの原因は一つではありません。生活習慣、体格、鼻やのどの状態、寝姿勢などが重なって起こることがあります。

枕の高さが合っていない

枕が高すぎると、首が前に曲がり、気道が狭くなりやすくなります。

反対に、低すぎる枕でも首の角度が合わず、呼吸がしにくくなることがあります。

朝起きたときに首や肩がこる、寝苦しさがある、あごを引いた姿勢になっている場合は、枕の高さを見直してみましょう。

飲酒

アルコールを飲むと、睡眠中にのどや舌の筋肉がゆるみやすくなります。

そのため、舌が後ろに下がり、気道が狭くなっていびきが出やすくなることがあります。

普段はいびきをかかない人でも、飲酒後だけいびきが強くなる場合があります。

喫煙

喫煙は、のどや鼻の粘膜に刺激を与え、炎症やむくみを起こしやすくします。

気道が狭くなると、いびきが出やすくなることがあります。

いびきだけでなく、睡眠の質や呼吸器の健康を考えるうえでも、禁煙は重要な対策の一つです。

肥満や首まわりの脂肪

体重が増えると、首まわりやのど周辺に脂肪がつき、気道が狭くなりやすくなります。

特に、急に体重が増えた後からいびきが強くなった場合は、体重との関係を考えてみましょう。

ただし、やせている人でも、あごが小さい、鼻づまりがある、扁桃が大きいなどの理由でいびきをかくことがあります。

鼻づまりやアレルギー性鼻炎

鼻が詰まっていると、鼻呼吸がしにくくなり、口呼吸になりやすくなります。

口呼吸になると、舌が後ろへ下がりやすく、のどが乾燥しやすいため、いびきにつながることがあります。

花粉症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、風邪などがある人は、鼻の治療やケアがいびき対策になる場合があります。

加齢による筋力低下

年齢を重ねると、のどや舌を支える筋肉が弱くなり、睡眠中に気道が狭くなりやすくなります。

若いころはいびきをかかなかった人でも、中高年になってからいびきが目立つことがあります。

加齢そのものを止めることはできませんが、体重管理や飲酒量の見直し、寝姿勢の工夫で軽くなる場合があります。

3.自分でできるいびき対策

いびきが軽い場合や、一時的な原因が思い当たる場合は、生活習慣や寝具を見直すことで改善することがあります。

横向きで寝る

仰向けで寝ると、舌が後ろへ下がりやすく、気道が狭くなりやすくなります。

横向きで寝ると、舌が気道をふさぎにくくなり、いびきが軽くなることがあります。

抱き枕を使う、横向き用の枕を使う、寝返りしやすい寝具にするなど、無理なく横向きを保てる工夫をしてみましょう。

寝る前の飲酒を控える

飲酒後にいびきが強くなる人は、寝る前の飲酒を控えることが大切です。

毎日飲む習慣がある人は、量を減らす、休肝日を作る、就寝直前の飲酒を避けるなど、できることから始めましょう。

いびきだけでなく、睡眠の質を整えるうえでも役立ちます。

体重を少しずつ見直す

体重増加がいびきに関係している場合は、無理のない体重管理が対策になります。

急な食事制限ではなく、夜食を控える、甘い飲み物を減らす、歩く時間を増やすなど、続けやすい方法を選びましょう。

体重が減ることで、首まわりやのどへの負担が軽くなり、いびきが改善する場合があります。

鼻づまりを放置しない

鼻づまりがあるときは、耳鼻咽喉科で相談しましょう。

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎がある場合、鼻の通りが改善することで口呼吸が減り、いびきが軽くなることがあります。

市販の点鼻薬を長期間使い続けると、かえって鼻づまりが悪化することもあるため、長引く場合は医師に相談してください。

枕や寝具を見直す

枕の高さが合わないと、首の角度が崩れ、気道が狭くなりやすくなります。

高すぎる枕、沈み込みすぎる枕、首を支えられない枕は、いびきや首こりにつながることがあります。

寝たときに首が自然な角度になるか、呼吸がしやすいかを確認してみましょう。

4.睡眠時無呼吸症候群が疑われるサイン

いびきの中でも注意したいのが、睡眠時無呼吸症候群です。睡眠中に呼吸が何度も止まったり浅くなったりする病気で、日中の眠気や生活習慣病とも関係します。

いびきが途中で止まり、また大きく始まる

睡眠時無呼吸症候群では、大きないびきの後に呼吸が止まり、しばらくしてから「ガッ」と大きな音を立てて呼吸が再開することがあります。

本人は気づかないことが多いため、家族やパートナーから指摘されて初めて分かることもあります。

このような呼吸停止を指摘された場合は、医療機関で検査を受けましょう。

日中に強い眠気がある

睡眠時間は足りているはずなのに、日中に強い眠気がある場合は注意が必要です。

会議中、運転中、仕事中、食後などに強い眠気が出る場合、睡眠の質が低下している可能性があります。

特に運転中の眠気は事故につながるおそれがあるため、早めに相談しましょう。

朝起きたときに頭痛や口の渇きがある

睡眠中の呼吸が不安定になると、朝起きたときに頭痛、口の渇き、熟睡感のなさを感じることがあります。

夜間に何度も目が覚める、トイレに起きる回数が多い、寝汗をかくといった症状を伴うこともあります。

いびきと一緒にこうした症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群を疑って相談しましょう。

高血圧や糖尿病がある

睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や糖尿病などと関係することがあります。

いびきが大きい人で、血圧が高い、血糖値が高い、心臓病を指摘されている場合は、睡眠中の呼吸状態も確認しておくと安心です。

生活習慣病の治療中の人は、主治医にいびきや眠気について伝えてみましょう。

5.医療機関で行われる検査と治療

いびきの治療は、原因によって異なります。まずは、睡眠時無呼吸症候群があるかどうか、鼻やのどに問題がないかを確認します。

睡眠検査

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、睡眠中の呼吸、血液中の酸素、脈拍、いびきなどを調べる検査を行います。

自宅で行う簡易検査と、医療機関に泊まって行う精密検査があります。

検査結果をもとに、無呼吸の程度や治療方針を判断します。

CPAP療法

CPAP療法は、鼻や鼻口に装着したマスクから空気を送り、睡眠中に気道がふさがらないようにする治療です。

主に中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群で使われます。

適切に使うことで、無呼吸やいびきの改善、日中の眠気の軽減が期待されます。ただし、継続して使うことが大切で、マスクの違和感や鼻の乾燥などがある場合は医師に相談しながら調整します。

口腔内装置

軽症から中等症の睡眠時無呼吸症候群や、いびきの一部では、口腔内装置が使われることがあります。

下あごを少し前に出すように固定し、気道を広げやすくする装置です。

歯やあごの状態によって使えるかどうかが変わるため、医師や歯科医師と相談して作成します。市販のマウスピースを自己判断で使うより、医療機関で適応を確認するほうが安全です。

鼻やのどの治療

鼻づまり、鼻中隔弯曲症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、扁桃肥大などがいびきに関係している場合は、耳鼻咽喉科で治療を行うことがあります。

薬物療法、鼻の治療、手術など、原因に応じて方法が選ばれます。

手術はすべてのいびきに有効というわけではなく、適応を慎重に判断する必要があります。

レーザー手術や外科治療

のどの形や軟口蓋の状態によっては、レーザー治療や外科的治療が検討されることがあります。

ただし、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因は人によって異なるため、手術をすれば必ず治るとは限りません。

治療を検討する場合は、効果だけでなく、痛み、出血、術後の違和感、再発の可能性、睡眠時無呼吸症候群への影響について、医師から十分に説明を受けましょう。

6.いびきで受診するときの診療科

いびきで受診する場合、症状によって相談先が変わります。迷う場合は、睡眠時無呼吸症候群に対応している医療機関を探すとよいでしょう。

睡眠時無呼吸症候群に対応している医療機関

大きないびき、呼吸停止、日中の眠気がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の検査に対応している医療機関を受診しましょう。

呼吸器内科、耳鼻咽喉科、循環器内科、睡眠外来などで診療していることがあります。

受診前に、簡易検査やCPAP療法に対応しているか確認しておくとスムーズです。

鼻づまりが強い場合は耳鼻咽喉科

鼻づまり、鼻水、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎がある場合は、耳鼻咽喉科で相談しましょう。

鼻の通りを改善することで、口呼吸やいびきが軽くなることがあります。

子どものいびきでは、扁桃やアデノイドの大きさが関係することもあるため、小児に対応している耳鼻咽喉科で相談するとよいでしょう。

生活習慣病がある場合は主治医にも伝える

高血圧、糖尿病、心臓病などで通院している人は、いびきや日中の眠気について主治医に伝えましょう。

睡眠時無呼吸症候群があると、血圧や生活習慣病の管理に影響することがあります。

必要に応じて、睡眠検査に対応した医療機関を紹介してもらえる場合があります。

7.いびきでよくある質問

いびきについて、よくある疑問をまとめました。

いびきは放置しても大丈夫ですか?

一時的ないびきで、疲労や飲酒、鼻づまりなどの原因がはっきりしている場合は、原因が解消すると軽くなることがあります。

ただし、大きないびきが続く、呼吸が止まる、日中に眠い、朝の頭痛がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため受診を検討しましょう。

横向きで寝ればいびきは治りますか?

横向き寝でいびきが軽くなる人はいます。

ただし、睡眠時無呼吸症候群や鼻・のどの病気がある場合は、横向きだけでは不十分なことがあります。症状が続く場合は医療機関で相談してください。

市販のいびき対策グッズは使ってもよいですか?

鼻腔拡張テープや横向き寝を助けるグッズなどが役立つ場合はあります。

ただし、睡眠時無呼吸症候群がある場合、市販グッズだけで対応するのは危険なことがあります。呼吸停止や強い眠気がある場合は、まず検査を受けましょう。

子どものいびきも受診したほうがよいですか?

子どもが毎晩のように大きないびきをかく、寝ている間に呼吸が止まる、口呼吸が多い、日中に眠そう、集中しにくい場合は受診をおすすめします。

扁桃肥大やアデノイド、鼻炎などが関係していることがあります。

急に大きないびきをかき始めた場合は危険ですか?

普段いびきをかかない人が、突然大きないびきをかき、呼びかけても反応がない、片側の手足が動かない、ろれつが回らない、意識がはっきりしない場合は、救急対応が必要なことがあります。

脳卒中などの可能性もあるため、迷わず救急要請を検討してください。

まとめ

いびきは、睡眠中に空気の通り道が狭くなり、のどの周辺が振動することで起こります。

原因には、枕の高さ、飲酒、喫煙、肥満、鼻づまり、口呼吸、加齢、あごの形、扁桃肥大などがあります。一時的ないびきであれば、原因を見直すことで軽くなる場合があります。

一方で、大きないびき、睡眠中の呼吸停止、日中の強い眠気、朝の頭痛、熟睡感のなさがある場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。

治療には、生活習慣の見直し、鼻やのどの治療、CPAP療法、口腔内装置、手術などがあります。どの治療が合うかは原因や重症度によって異なるため、自己判断で決めず、医療機関で検査を受けることが大切です。

まずは、家族に睡眠中の様子を聞く、いびきの頻度や日中の眠気を記録する、寝る前の飲酒や寝姿勢を見直すところから始めてみましょう。呼吸停止を指摘された場合は、早めに専門の医療機関へ相談してください。